第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 02 節「文献探し」
「この書は『セルヴズ』と呼ばれる古い文献の翻訳文の一つで、当時の一般大衆向け、または小童向けに、大幅な簡略化が施されているようだ。
読んでみよう、
A little boy we know very well asked his mentor,
・・・その時、一人の少年が尋ねました。
“I am surprised at the 【POWER】 of myself!!
『お師匠さま、私たちは何と素晴らしい力を持っているのでしょう。
Why can we set up such an uncountable job named MAGIC?“
しかし、どうしてこのように不思議な力が、だれにでも具わっているのでしょうか』と。
The man nodded repeatedly with smiling and said,
師は大いに喜んで頷きながら、
“Every moment it‘s different,
『“それ”は瞬間瞬間に現れ、しかし、いつもいつも異なった姿として現れる。
but they are all YOURSELF!!
けれども、そのどれ一つをとってみても、それは君自身であるのだよ。
Because it‘s the LIFE.“
そう、そのために一瞬の発動を指して、“LIFE”と呼んでいる』
云々(うんぬん)・・・。
これは、簡略化されてはいるが、確かに“LIFE”について書かれたものだ。
みんな、意味が分かったかい?」
「う~ん、難しいわ・・・。」
「この部分で、一体何を言おうとしているのかしら・・・?」
「いや、これはすごい文献です!
書かれた時の感動が、僕の胸にも伝わってくるようでした!」
初めて耳にする“LIFE”の文献は、三人にそれぞれの印象を与えていた。
とりわけ彼らに共通して感じられたことは、不思議なことだが、「いつか、どこかで聞いたことがある気がする」というものであった。
「これは、“LIFE”と魔法の関係について書かれたものです。
つまり、一回一回の発動には、その時の心境・・・、怒りや悲しみ、誰かを守りたいという気持ち、相手を助けたいという気持ちなど・・・が、人それぞれの形となって現れ、魔法になります。
その一回一回が、実は二度とは起り得ないものであり、限りなく尊厳なものである、というのが、“LIFE”の思想なのです。」
皆、話の全部は理解できなかったものの、今までに魔法を発動した経験から、何となくではあるが、意味するところを得たように思えた。
「そして究極の魔法とは、この一回一回の発動の意味や目的を、限りなく高めていった時、意図せずして起こされることになるのです。」