The story of "LIFE"

第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 02 節「文献探し」

第 06 話
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ザンダはそれで納得した。
ただ、始めからそうするつもりだったけれども、ソマからあえて「ドガァと一緒に」と言われたため、また子供扱いされたようで、気に入らなかったらしい。

彼は会議を抜け出して、自分の部屋へと戻って行ってしまった。

「ソマ!
あんなこと言って。
ザンダに、もしものことがあったらどうするんだい?」
「大丈夫よ。
・・・あの子はね、私の知っている男の子と、よく似ているの。
それに・・・。」

彼女はその続きを口にしなかった。

会議が少し沈黙した時、ちょうどドガァが起き上がって扉を出ていったので、皆の注意はそちらへ向けられていた。

「元気のいい少年ですね。
誰か一人、常に目を離さないようにすれば、危険は回避できるでしょう。
・・・それで、ケプカスが召喚する『悪魔』についてですが・・・。」

ここで彼女は、皆の注意を引くため、一瞬の間をおいてから話を続けた。

「6脚の馬に竜の翼・爬虫類の骨格尾で、6本の触手を持つ怪物、『モルパイェ=フューズ』。
更に、6本角の山羊の頭・肉食動物の前肢・水牛のような後肢・竜の骨格翼・そして6本の長い尾を持つ怪物、『エンリツァーカ=ギール』。
どちらも多彩な攻撃魔法を使ってきます・・・。」
「過去に私たちが戦った『悪魔』は、影のように暗い色をした、人身・有翼の姿だった・・・。」
「『馬』と『山羊』の怪物か・・・。
恐ろしい姿ですね。
文献を探す前に、その術士と魔物を捕縛しておくべきでしょうか・・・?」
「ケプカスは、私も含めて多くの者が目にしているのですが、いつもすぐ見失ってしまいます。
ですから、彼等の次の行動を掴んで、文献を保護しながら戦うといった形になると思います。」
「掴むと言っても、どうすれば情報を得られる?
間諜(スパイ)でも使うのかね?」
「・・・それは危険過ぎますので、なるべく衝突を避けながら、こちらは飽くまで話し合いの場を作る形で、接近してみましょう。」

反LIFE思想の、武装した魔法使いたちを相手に、話し合いとは。
タフツァは魔法革命家シェブロンの一番弟子らしく理想主義者であり、同時に行動主義者でもあった。
この青年らしい魂にこそ、“LIFE”を継ぎ、永遠ならしめるための資質が具わっているともいえる。

「すると今できることは、情報収集と・・・。」
「フィヲの特訓だね。
ここは魔法文化の発祥地だから、いろいろと面白いものが見られるにちがいない。」

LIFEの一行とヤエとは自然に打ち解けていた。
そして当面の動き方が決まった今、話題はヴェサたちが今日取得した、最初の「文献」へと移っていった。

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