The story of "LIFE"

第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 01 節「ヱイユ」

第 06 話
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このようにして、ヱイユは「闘神」の名にもふさわしく、あらゆる超人的な能力を発揮して魔法を起こし、戦った。
「ゾー(重力)」を用いては身を軽くして「トゥウィフ(衝撃)」や「クネネフ(風)」で空を舞う。
「メぜアラム(召喚)」と「ドファー(変身)」を合わせ用いては、過去に捕らえた怪物の力を意のままに、我が物として操った。
四属性・冷熱・電磁の各対をも巧みに使いこなして、その上修得が困難とされる他の魔法にも、実によく親しんでいた。

しかしながら、ヱイユの力を以ってしても、なお為し得ない事業があった。

それは、かのシェブロン博士が提唱した、究極の魔法“LIFE”の実現である。
彼は力を求めて旅に出た後も、たびたびシェブロンやソマを思っては、過去の苦い経験を悔やんだりした。

「まだ戻ることはできない。
――しかし、もう十五になるかな・・・。」

彼は、ヤコハ=ディ=サホの二つの頂上を、無二の親友・アーダと分かち合い、そして時々、一人で何か呟きながら、遥か彼方に思いを馳せていた。

南北に雲が引いていくようだ。
荒天がにわかに過ぎ去って、穏やかな日和となっていた。
遠くに大陸が見えている。

「メレナティレ以来だろうか、苦戦でもしていなければいいが。」

ヱイユは立ち上がり、剣を取り出すと、素早く十文字を切った。

突風が起こって、海にも届きそうなぐらい、ずっと先の方まで吹いていった。
彼は高笑いをし、アーダも楽しそうに鳴き声を発した。

「ソマに、会いに行こう。
疲れた顔をしているかもしれないな。」

そろそろ日の傾こうとする空に、ヱイユはさも満足そうな表情を浮かべていた。

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