The story of "LIFE"

第 03 章「彷徨(ほうこう)」
第 01 節「ヱイユ」

第 04 話
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大砲の怒号にも似て、耳を聾(ろう)せんばかりの雷鳴が、暗黒の空を揺るがした。

何という恐ろしい力を揮(ふる)って、天はその怒りを表すのだろう。
荒れ狂う雨と風、音と光は入り乱れ、今ここに戦いの物語を描き出す。

「金翅鳥(こんじちょう)よ、古(いにしえ)の誓いを忘れたか!
来たるべき護法戦に備え、我は汝の力を求めるものなり、如何(いかん)。」

『小僧め、貴様ごときに何ができるというのだ。
今や究極発動法は失われ、世は殺意・悪意に満ち溢れておる。
ならば、己が敵を根絶やしにし、国を平穏ならしめるのみ!』

「然(しか)り、大空の主・金翅鳥よ!
失せぬ魔法則を再興するは、我等が付(ふ)されし定めなり。
願わくはその両の翼を以(も)って、我に力を与えたまえ!」

この言葉を聞き終わった時、怪鳥はギロと恐ろしい目付きに変わった。
そして空を覆うほどの翼を広げて見せた後、居丈高(いたけだか)にわらい出した。

『ふあっはっはっは!!
愚かな人間がいたものだ。
物を言うにも相手をわきまえろよ!
貴様こそ、我が力となるがいい!!』

雷鳴轟く天空へ、高く高く舞い上がったガルーダは、全身に漲(みなぎ)る力を解放し始めた。
万の衝撃波が次々に強まりながら押し寄せ、球状に広がっては大気を震撼させている。

辺りの様相は、少し前とは比べものにならない猛々しさを呈した。
暴風に煽られて、飛び交う大粒の雨礫(あまつぶて)は硬化し、次第に殺傷力を増していく。

「・・・愚かなのはお前の方だ。
その巨体、必ず後悔するぞ!」

ヱイユは「クネネフ」と「ロニネ」の合体魔法を起こし、空気のバリアを張って身構えていた。

「アーダ!
奴から『風』を奪い返せ!!
大した相手じゃない。」

『何だと!?
子蝿めが、今すぐ黙らせてくれるわ!!』

灰竜アーダは、ガルーダよりも遥か上空から、悠々と下を見つめていた。

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