第 02 章「連動」
第 02 節「機は熟さず」
「ノイ、お前は今すぐ、シェブロンのところへ助けに行くがいい。
ガキとツィクターはおれさまの相手をしてもらおう。
それから、ムヴィア。
お前だけ、特別に国王と会わせてやるよ。
あの小僧を助けに来たんだろ?
・・・そうは言っても、選択の余地はないがな!!
さあ、その通りにしてもらおうか。」
「図に乗りおって・・・!
ツィクターさん、奴の言いなりのようですが、私は博士のもとへ行ってきます。
・・・ここを、お任せしてよろしいですか?」
「ああ。
ノイくんも気をつけて!
きっと、また会おう。」
ノイは皆に一礼すると、階段を駆け下りていった。
「ハッハッ!
お前はどうする、ムヴィア!!」
「奥にヱイユくんがいるんでしょう?
それに私は、『ディ=ストゥラド』と決着をつけにきたのよ。
・・・望み通りに。」
こう決然と言い放って、彼女はゆっくりと夫の方へ近づいた。
「ソマちゃんと、・・・この子をお願いします。」
「分かっている。
必ず、君を超えるほどの魔法使いに育てよう・・・!」
「その剣に、魔法を込めておきます。
・・・貸して。」
彼女の手元がパッと輝いて、一つの魔法が剣に宿った。
ほどなくして、王の間の扉が、重重しく開き始める。
「・・・パナ、ありがとう。
行っておいで。」
「パナさん・・・!!」
「待っててね。
すぐヱイユくん、戻るからね。
・・・そうだ、これ、あげるわ。」
少女の手に、「髪飾り」が渡された。
やがて、暗黒の扉の向こうへとパナの姿は消え、すぐにヨムニフが二人を遮った。