第 02 章「連動」
第 02 節「機は熟さず」
「地下で博士が戦われている。
役目を果たさずに、ここで敗れるわけにはいかない・・・!!」
ノイは真正面から勝負を挑む覚悟でいた。
そして、怪物の突進よりも少し早いタイミングで城門に右の踵をかけると、相手の「兜」目掛けて一直線に飛び掛っていった。
一方、ツィクターたちはすでに、「魔導兵」による襲撃の第二波を撃退して、王宮前広場まで達していた。
ところが、固く錠をかけられた門はびくともせず、いかに突破するかが問題となった。
「LIFE」に降っている数十名の兵士たちも、皆口々に「城門は固く閉ざされている」と言っていた。
「こんな時、『トゥウィフ』や『インツァラ』の術士がいたらいいのに・・・。」
パナもさすがに城門は壊せないらしい。
トーハが「ダイナマイト」を爆破させてみたが、だめだった。
すると突然、ツィクターが叫んだ。
「みんな、ここはあぶない!
中からすごい振動が伝わってくるぞ。
・・・急いでさがるんだ!!」
突如、城門が破られたかと思うと、今度はそれを踏みつけるようにして、巨大な怪物が姿を現した。
ノイが飛ばされてくるのを、ツィクターが受けとめた。
「なんてバケモノだ!
・・・ノイくん、大丈夫か!?」
「・・・ええ。
しかし、剣が奴との隙間を作っていなかったら、一瞬で潰されているところでした。」
見ると、怪物の頭部には、確かにノイの剣が突き刺さっていた。
渾身の一撃だっただけに、かなりのダメージを与え得たようだ。
「こ、小僧め・・・!!」
多少弱った怪物を尻目に、トーハはノイに駆け寄って体を気遣うと、「電撃の剣」を手渡した。
ノイは戦意を示して立ち上がった。
ツィクターも、ほとんど無傷である。
「シェブロン博士が地下で戦っておられるのです。
ヱイユくんも、どうやら『ディ=ストゥラド』に捕らわれているようで・・・。
ここは私がお引き受けしますので、どうか、先に行って二人をお願いします!!」
すると、「警戒兵」と「魔導兵」の仲間が数人、ノイの助太刀を申し出てきた。
「加勢いたします。」
「奴の動きを封じてみせましょう!」
「強敵を見ると、血が騒ぐのです!!」
トーハも「鉄甲兵」の一部に手を加えて、彼の「一団」を形成していた。
「見たか!
これがわしの『LIFE』だ。
ノイさんに助太刀しよう。
・・・これより先は、ツィクターさんとパナさんにお願いする他あるまい。」
「分かりました。
ソマちゃんは私と一緒にいらっしゃい。
力を貸してほしいの。」
「うん。
わたし、えいゆくんをたすけるわ。」
「博士なら、そう簡単に敗れることはない。
まず、国王の間へ向かおう。
・・・これは一刻を争う戦いだ。」
鋼鉄の魔人をノイたちに任せて、ツィクターと幼子を抱えたパナ、そして少女ソマは、王宮の二階へと進んでいくのだった。