The story of "LIFE"

第 02 章「連動」
第 02 節「機は熟さず」

第 13 話
前へ 戻る 次へ

ヨムニフはニヤニヤしながら話し始めた。

「おれは正直、あの男が恐くてね。
あまり怒らせると、魔法なんてものともせずに襲ってくるというじゃないか。
・・・あんたになら、殺される心配がないからな。
もっともおれは、あんたをただでは済まさないぜ。」
「・・・世の中を混乱させるのが、そんなに楽しいか。
なぜ『LIFE』を去った?」
「おれは『魔法』を奪われつづけたんだぜ?
同じ目に遭わせてやんなきゃ、気が済まないんだよ。
・・・特に、いくつもの魔法を組み合わせる、――『LIFE』っていうのか?
許せないんだよね、おれにはさぁ・・・。」

言葉が途切れたかと思うと、何かの魔法が発動されたようだ。
地面がグラグラと揺れ動いている。

二人の間に「魔法陣」が浮かび上がってきた。

「封印が解かれてから、不思議と他の魔法も使えるようになってね。
前はあんなに苦労しても出せなかった魔法がよぉ。
・・・ほら、おれのペットだ!!」

大地の「魔法陣」から現れたのは、大きな両腕を持つ、「モグラ」のような生き物だった。

同時に、辺りの壁からは、無数の「スライム」が噴き出してきた。

「最近はこのあたりも地盤がゆるんでるらしいからな。
まず生きて出るってのは不可能だろう?
まったくいいざまだ、これで『LIFE』もおしまいだってよ、アッハッハッハッハ!!」

乱調な足音とともに、声の裏返ったような笑い声がだんだんと遠ざかっていく。

進退谷(きわ)まったシェブロンは、じっと何かに思いをめぐらせながら、「怪物」たちの出方を探っているようだった。

前へ 戻る 次へ
(c)1999-2024 Katsumasa Kawada.
All Rights Reserved.