第 02 章「連動」
第 02 節「機は熟さず」
「シェブロン博士が提唱した『LIFE』っていうのは、『グルガ』も含めた全部の力を術士から引き出す発動形式を指すの。
つまり、封じられたままでは、『グルガ』だけでなく『LIFE』も発動できなかったのよ。
『封印』にはリスクがあったけれど、それが解かれて、これからはみんな『LIFE』に目覚めていく時代になるわ。」
「鉄甲兵」の攻撃は、パナの「ロニネ」に全く刃(は)が立たなかった。
と同時に、ツィクターの剣もまた、彼らの外甲に傷一つつけることができなかった。
「ようやく、わしの発明が役に立つというものだ。
ツィクターさん、この剣を使ってみなさい。
パナさんの『ググ(磁力)』を、『テダン(電力)』に変換して使えるはずだ。
ただし、自分で刀身(とうしん)に触ったらいかんぞ。」
パナも、そしてシェブロンも、「テダン」を使ったことがなかった。
当初、一行には誰も電撃を扱える者がなかったので、技師トーハは「対・機械戦」に備えようと、この器具を開発してきたのである。
「剣」には、強力な「ググ」が込めてあった。
「そこだ!
短絡(ショート)させてしまえ!!」
機械製の「鉄甲兵」に、高電圧を加えてショートさせようというのである。
ツィクターは二機、三機と破壊していったが、高電圧の放電が起きるため、大変危険な戦法といえた。
「もう少し他の道具にだったら使えそうですけど・・・。
いいわ、あれを相手にするなら、直接『ググ』をかけて、地面に縛(しば)り付けてしまいましょう。」
「すまん、いいアイデアだと思ったんだが・・・。」