The story of "LIFE"

第 02 章「連動」
第 02 節「機は熟さず」

第 07 話
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この「魔導兵ネマーダ」という男とツィクターは、旧王国騎士団では「重装部隊」として共に戦った仲である。
他の部隊から出た兵とは違って、攻めるにも退(ひ)くにも、やりにくい相手と言えた。

「オレはどうやら『グルガ』を使う末裔(まつえい)だったらしくてな。
ごらんの通り、『魔導兵』ってわけさ。」
「それは楽しみだ。
・・・ところで、この上はちょうど、ゲート前の広場だろう?
せっかくの機会だ、存分にやり合いたいのだが・・・?」
「いいだろう。
しかし、シェブロンやノイを抜きにして、お前たちがどれだけ抗(あらが)えるか、見ものだな!!」

出口付近の広場は、すでに十数機の「鉄甲兵」たちに取り囲まれて、ものものしい光景を描き出していた。
それは、乗組員のいない機械仕掛けの怪物、と形容(けいよう)するにふさわしい兵器である。
後方の城門も完全に閉ざされていて、進路は開く以外、どこにも見出(みいだ)せなかった。

「街の外へ出られないとなれば、やむを得まい・・・!
博士を探しながら、王宮へ向かおう。
国王を捕(つか)まえて篭城(ろうじょう)するんだ!!」

衝突が始まった。
「魔導兵」の鎧には「ロニネ(壁)」と「テティムル(吸収)」、「グルガ(消滅)」がかけられており、魔法が効かなかった。
ソマが「地下茎(けい)」を呼び出しても、すぐに枯(か)れてしまうのである。

「『テティムル』と『ロニネ』がかけてある場合、物理攻撃で鎧を破壊するしかないわ。
相手のバリアで威力も落とされるけれど、私が『ゾー(重力)』で強めてあげるから。」

元・重装兵だったツィクターは、「ゾー」で重くなった剣をも自在に振りまわした。
大半の兵士は彼の一撃で鎧を砕かれ、パナに動きを封じられてしまった。

「なかなかやるな・・・!
ここらで『鉄甲兵』の出番だ。」

大きな機体にもかかわらず、「鉄の怪物」たちは恐ろしい機動力を持つ「車輪」で突進してきた。
パナが味方を囲む一帯に「ロニネ」を張った。
ツィクターの鎧にも、相手と同じ防御の魔法をかけた。
彼女は、あらゆる魔法に加え、「グルガ」をも使いこなした。

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