The story of "LIFE"

第 02 章「連動」
第 01 節「未来の珠(たま)」

第 11 話
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あれから、ヨムニフは「449街区」にも、新たにトーハが手配した「LIFE」の集合場所にも姿を見せなかった。
皆、不審(ふしん)に思っていたが、彼を追跡(ついせき)したのはただヱイユだけだった。

平素(へいそ)、シェブロンは皆に話していた。

「あの男は、我々が一切危害を加えないのを知っていて、自分も危害を加えないかわりに『LIFE』の情報を持ち帰っている。
しかし、知られてまずいことは何もない。
ただ『グルガ』と戦うすべを求めるのみだ。
彼を深追いすることは、何よりも危険だ。」

「建国記念日」を境(さかい)にして、リザブーグ王国は新たな国王を迎え、何やら不穏(ふおん)な動きを見せ始めていた。

街の警備には「特別警戒兵」と呼ばれる武装した一団が導入され、日常の小さな諍(いさか)いを起した者ですら、重罪として投獄されるといったありさまである。

そして程なく、二十代の男性全員を徴兵(ちょうへい)の対象とすることを謳(うた)う「勅書(ちょくしょ)」が公布されるに至(いた)っていた。

新国王の名を「ディ=ストゥラド」といい、「徴兵令」の終わりにはこうあった。

「麗(うるわ)しき新生リザブーグ王国の安寧(あんねい)を脅(おびや)かす国賊(こくぞく)を、余(あま)すところなく生(い)け捕(ど)りにせよ。
その首謀者(しゅぼうしゃ)たるシェブロンを処刑した後、隣国(りんごく)への遠征を開始する。」

新国王の側近には、古代魔法「グルガ」の使い手とされる「魔法使い」が常に侍(じ)していた。

彼は、封印されて何らの力をも有(ゆう)さない「グルガ」の「発動法」や「殺人法」を代々伝承してきた家系の「元学者」で、旧リザブーグ王国にあっては「古代魔法研究員」として活動したこともある。

実に、この男こそが「ヨムニフ」その人であった。

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