The story of "LIFE"

第 01 章「道」
第 03 節「事態収拾」

第 03 話
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午前十時を過ぎた頃、出発の仕度(したく)を済ませた「LIFE」の人々は皆、別の場所で情報収集や昨日の後始末に追われていた。

例になく深夜まで騒がしかった港町は、まだその機能が麻痺(まひ)していて、船乗りたちの仕事がようやく始まったところだった。

夜中の事件解決後、町の御者(ぎょしゃ)に協力を得て少年たちを送り届けたとき、一行の中でも経験が豊富な老婆ヴェサは、直(ただ)ちに自分の部屋へ少年たちを運んで寝かせるよう指示し、夜通(よどお)しで診察・処置をおこなっていた。

シェブロンはたびたび状況を聞きに来たが、ザンダに対して注意を与えたあの後も、すぐにこの部屋へ赴(おもむ)いた。

「シェブロンさん、この子供たちはどうやら、戦いを仕掛けてやられたみたいだね。
結局、衝撃で飛ばされたのやら、ちょっとの電撃に驚いて腰を抜かしたのやらで、気を失っているだけだよ。
精神的なショック以外は、何の異常も出ていない。
ケガの手当てをしておいたから、もう家族を呼んでいいよ。
・・・相手も無駄な力は使っていないと見えるね。
『テティムル(吸収)』一発、受けちゃいないよ。
まったくお目が高いもんだ。」
「それは安心しました。
しかし、少年たちをそそのかして危険に遭わせるとは、今後も気は抜けません。
・・・ではヴェサさん、出発まで休んでいてください。」
「そんなことはいいけどね、ほらフィヲはどこに行ったんだい。
今日はあたしの話を聞きに来ないじゃないか。」
「いつもはあの子も楽しみにしているんですが・・・、おそらくファラくんの様子でも見に行ったんでしょう。」
「なんだって?
あの小娘が、色気(いろけ)づきおって。
ちょっと呼んできておくれ!」

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