The story of "LIFE"

第 01 章「道」
第 02 節「港町」

第 02 話
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険しい山道が整ってきて、町へと続いていくのが見える。

あの恐ろしい森も、ひとたび夜が明ければ、人々の往き来に欠かせない要路となった。

背の高い木々をくぐり抜けて、少年は森の出口へさしかかっていた。
木陰が一転して朝焼けの空に変わった。

そこには、港を一望できる丘が広がっていた。

「町までもう少しだな。
・・・あれっ?
誰か来るみたいだ。」

ファラが見つけたのは、この先の集落からこちらへ向かってくる、三人組の少年たちだった。
何やら冒険にでも出かける様子だが、それにしてもこれほどの早朝を選んだ理由があるのだろうか。

「本当かよ!
そんなとんでもない奴がいるなんて、なぁ。」
「まだ疑ってるのか?
夕べの「月」を見たら・・・。
ありゃあ、古文書に書いてあったとおりの現象だ。
じいさんも見たって言うし、・・・ティティカだってよお。」
「・・・まぁ、魔法となれば、手に入れる値打ちはあるよな。
僕らもこれから生きてくには、魔法力をつけるしかない。」

先頭の一人は自信たっぷりで、ズカズカと歩いて行ってしまう。
体が大きめの、マントを羽織った少年である。
それを追うようにしてついていくのは、バンダナをした、体格のがっちりした少年だった。
そしてもう一人は、ときどき遅れながら、なにやら考え事をしている。

ファラは「魔法」という言葉を聞いて彼らの話を注意して聞き始めた。
他方で、山からおりてくる見知らぬ姿に慌てた先頭の一人が、周りを見回している。

ファラは少年たちがこちらに来るものと思っていたが、彼らの方で警戒していたらしく、途中の草むらから森へと入って行ってしまった。

「なんだか苦手なタイプだなあ。
ぼくと同じ『魔法使い』みたいだけど・・・。」

少年たちはすぐに見えなくなった。
けれどもファラはあまり気に止めることなく、丘を下り始めた。

今まで旅をしていて出会う少年たちと、それほど親しくなったことがない。
ファラぐらいの年齢で「一人旅」をすること自体、彼らにとってみれば「異質」と映っていたのかもしれない。

そのためだろうか、この時彼は、少年たちについていこうという気を起こさなかった。


港町へはまだかなりの距離がある。
ここを歩いて来たとすれば、さっきの三人組は、明け方にでも家を抜け出したのだろうか。

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